DigiSelfについて語るEmbodyMe CEOの吉田一星さん

AIアバター生成サービス「DigiSelf」

「現実の人間と区別がつかない」AIアバター動画生成サービスを、開発パートナーとして支える

担当領域:クラウドインフラストラクチャ設計・構築 / GPUオンデマンド実行・スケーリング基盤 / APIバックエンド / Webフロントエンド

株式会社EmbodyMe(エンボディーミー)が提供する「DigiSelf(デジセルフ)」は、1枚の写真とテキストを入力するだけで、現実の人間と区別がつかない品質のAIアバター動画を生成できるサービスです。動画の生成に加えて、リアルタイム生成技術によるAIアバターとの双方向コミュニケーションも実現しています。

弊社は2025年5月からDigiSelfの開発パートナーとして、クラウドインフラストラクチャ、生成AIモデルの実行基盤、APIバックエンド、Webフロントエンドを開発しました。この記事では、開発の経緯と弊社が取り組んだ技術的な工夫を、EmbodyMe CEOの吉田一星さんへのインタビューでいただいた言葉とあわせて紹介します。

EmbodyMe社とDigiSelf

EmbodyMe社は2016年の設立以来、映像分野における生成AIの基盤技術を研究開発してきた会社です。その映像生成AI技術はリアルタイム処理性能において世界的な競争優位性を持ち、NVIDIA Inception AwardやMicrosoft Innovation Awardの受賞歴、複数の国際特許があります。先行プロダクトである、AIアバターと会話するコンシューマー向けアプリ「xpression chat(エクスプレッションチャット) 」をはじめとするxpressionシリーズは、ユーザーの95%を海外が占め、Product Huntで1位を獲得しています。

一方、国内のAI映像生成サービスの多くは海外製のAIモデルを利用しており、日本語対応が十分ではありません。この技術力を、日本語品質を徹底追求したサービスとして日本企業に届けたい、と考えて立ち上げられたのがDigiSelfです。xpression chatが「コンシューマー向けで海外」だったのに対し、DigiSelfは「法人向けでまずは国内」。同じ技術の上に立ちながら、ビジネスのターゲットを大きく変えた挑戦でもあります。

プロジェクトの背景

代表の水鳥と吉田さんの縁は、テキサスで開催されたSouth by Southwestに遡ります。当時、吉田さんは前職の会社のブースに、水鳥は友人に頼まれて手伝いに入っていたソニーのブースに立っていて、偶然隣同士だったことから言葉を交わしました。その後、リクルートが渋谷で運営していたオープンイノベーションスペース「TechLabPAAK」で偶然再会します。審査で選ばれたスタートアップが半年間入居できる場所で、EmbodyMe社と弊社は同時期に入居していました。そして数年前、その吉田さんからxpression chatの開発をご依頼いただきました。このときは、アバターを描画する複雑なライブラリとバックエンドをEmbodyMe社が開発し、iOSとAndroidのアプリのUI・UX、アプリロジックを弊社が担当させていただきました。

そして2025年、DigiSelfの開発にあたって、再びお声がけいただきました。

弊社には、これだけ大きなサービスを作り切れる人員はいませんでした。サービスの部分は外部のパートナーにお願いしようと考えたとき、ずっと一緒にやってきたGoldrushさんが真っ先に思い浮かびました。技術面ではすでに信頼感があったというか、今までずっと一緒にやってきて技術力も分かっているので、そこは完全に安心して、前提としてお任せできました。(吉田さん)

弊社の担当領域

アバターモデルの生成、アバター動画の生成という、DigiSelfの”知能”にあたる部分は、EmbodyMe社が長年研究開発してきた独自技術です。弊社が担当したのは、その知能をサービスとして成立させる部分です。

  • クラウドインフラストラクチャの設計・構築
  • アバター生成モデルや動画生成モデルを動かす実行環境と、オンデマンド&スケーリング実行の仕組み
  • APIバックエンド
  • Webフロントエンド

2025年5月に開発を開始し、8月末に最初の納品としてシステムが稼働を開始。この時点から見込み顧客の利用が始まり、10月には一部企業へのプレリリース、そして2026年3月30日に正式に提供開始という流れで進みました。

技術的な挑戦:GPUコストをどう抑えるか

開発全体を通して難しかった点を伺うと、吉田さんは迷わずGPUのコストを挙げました。

アバター生成はGPUを使って処理するので、いかにGPUコストを抑えられるかですね。生成スピードとコストは表裏一体で、生成に時間がかかれば、その分お金がかかります。そこで、まさにジョブを投げて実行する仕組みを作っていただいたのが一番大きかったですね。(吉田さん)

アバターや動画の生成には高性能なGPUサーバーが必要ですが、GPUサーバーは非常に高価で、常時起動しておくと利用の少ない時間帯のコストがそのまま重荷になります。とくに開発中や実証実験、プレリリースの段階では、利用の波が読めないぶん、この待機コストが重くのしかかります。そこで弊社は、生成リクエストの合間にはGPUサーバーを0台まで縮小し、リクエストが来たときに必要な台数だけを起動するオンデマンド実行の仕組みを設計しました。リクエストの状況に応じて、無駄なサーバーの起動を極力抑えるよう制御するところに注力しました。

ローンチ後の運用についても伺いました。

AIアバターのスケーリングの仕組みは、かなりうまく機能しています。そこの設計を一緒にやらせていただいて、非常に正しい設計で動いていて、ありがたいと思っています。(吉田さん)

開発中のコミュニケーション

開発中の提案で印象に残っていることを伺うと、こんな答えが返ってきました。

こちらが考えていなかったような点も提案してくださって、実装していただけることが多くあり、非常に助かりました。例えばウォーターマークは、影が付いていないと、背景が白い映像では白く同化して見えなくなってしまいます。そこに影を付けることを提案してくださって、こちらでは考えられていなかったところだったので、非常にありがたかったですね。(吉田さん)

生成された動画に重ねるウォーターマークのような細部は、要件や仕様を考えている段階では気づかない部分です。実際に動くものを作りながら気づいた点はその場で提案し、良いと判断いただけたものは実装まで持っていく、という進め方は弊社が受託開発で大切にしているところです。

広がる活用シーン

DigiSelfの動画生成は、セールス・採用・研修・マーケティング・広報・SNSなどでの活用が想定されています。内容を変更するときも一部の差し替えだけで更新でき、撮影のやり直しが不要なため、動画制作のコストを大幅に削減できます。リアルタイム生成は接客・営業・カスタマーサポート・面接・デジタルサイネージなどに活用でき、一人で複数のお客様に対応できるため、人手不足の解消にもつながります。

インタビューの中で特に印象的だったのは、「社長のアバター」のニーズでした。社長をアバター化して、社員や社外に向けたメッセージを配信したいという需要が、会社の規模を問わず相当数あるのだそうです。多忙で時間の取れない社長に代わって、本人のアバターが毎日でもメッセージを配信できる。社員はアバターだと知った上で見ているのですが、それでも文章で読むのと本人の声で聞くのとでは受け取り方が全く違い、さらにリアルタイムで対話できるようになると、体験としてまた別のものになるといいます。

パートナーとしての評価

最後に、弊社を他の会社に薦めるとしたら、どんな会社に向いていると思うかを伺いました。

大手の会社とお付き合いしたこともあるのですが、やはり小回りが利かないことが多くて。Goldrushさんは細かい要望も一緒になって考えて聞いてくれますし、正直こちらが少し無理を言ったときも、ある程度飲んでもらえる。小回りが利いて、非常に親密にできて、しかもそのうえで技術力が高い。そこが非常に良いところだと思っています。(吉田さん)

インタビューを終えて。左から弊社COOの石川、代表の水鳥、EmbodyMe CEOの吉田さん

DigiSelfはリリース後も進化を続けており、弊社も機能拡張の開発を担当してきました。

生成AIを使ったサービスの立ち上げでは、モデルそのものの性能だけでなく、GPUのコストを現実的な範囲に収める実行基盤の設計が事業の成立を左右します。AIサービスの立ち上げや、GPUを使うワークロードの基盤構築をお考えの方は、お気軽にご相談ください。

コンタクトフォーム:goldrushcomputing.com/contact

Project Information

Genre:

生成AI, AIアバター, クラウドインフラ, GPU, Webサービス

Year:

2025~2026

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