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GRTT: Goldrush Translation Toolのご紹介
AIとコンピュータービジョンで、多言語UI翻訳を革新
担当領域:プロダクトデザイン、ユーザー体験設計、開発
海外の顧客やチームとの日常的なやり取りが増えつつある昨今、UIデザインやプレゼン資料を短時間で別の言語に翻訳して共有する必要性が高まっています。しかし、一つひとつ手作業で翻訳し、画像に注釈を加える作業は時間と労力がかかり、プロジェクト全体の進捗を圧迫しかねません。 こうした課題はベトナムにチームを持つGoldrush Computingでは日常的に発生していました。この課題を解決するために開発したのが、GRTT (Goldrush Translation Tool)です。GRTTはAIとコンピュータービジョン技術を活用し、スクリーンショットやデザイン資料を素早く多言語対応させます。私達のチームではこれまで大変だった翻訳と注釈の挿入の作業が簡素化されチームの生産性を劇的に向上させることに成功しました。
GRTTとは?
GRTTは、画像やスライドに自動で翻訳テキストを重ね合わせ、編集・移動ができるWebアプリケーションです。
- プレゼン資料やUIデザインの翻訳
- 学習用の参考資料作成
- 異なる言語を使うチーム間でのスムーズな情報共有
など、多種多様なシーンで活用できる柔軟さが魅力です。翻訳のオン/オフも切り替えられるため、必要に応じて原文だけを見せたり、翻訳テキストを追加表示したりと、状況に合わせた使い方が可能です。
解決したかった課題
たとえば日本語のUIデザインを国際チームで共有する際、従来は以下のような課題がありました:
大量の画面・資料を手動で翻訳
- 40ページを超えるUI画面やスライドを、1つずつ訳す作業に16時間以上かかるケースも。
複雑なワークフロー
- バイリンガルのドキュメントや画面キャプチャを行き来し、ミスや重複作業が頻発。
誤訳やコミュニケーションロス
- 人力での注釈や翻訳にはヒューマンエラーがつきもの。正確性の担保が大変。
GRTTは、AIや自動化を駆使して、こうした時間的・人的コストを大幅に削減します。
GRTTの主な機能
- AI翻訳の自動化:コンピュータービジョン技術とOpenAIを組み合わせ、UIの構造や表示されたテキストの文脈を踏まえた翻訳を自動生成。
- 直感的なブラウザ操作:テキストボックスの位置やサイズ、色をマウス操作で手軽に調整でき、操作方法の習得に必要なトレーニングは不要。
- 同時翻訳ビュー:原文と翻訳文を並べて表示し、ワンクリックで表示・非表示を切り替え。
- 豊富なエクスポート形式:翻訳結果はJSONやExcel形式で出力でき、開発者や翻訳担当者との連携が円滑に。
活用シナリオ
シナリオ1: プレゼン資料の翻訳
パワーポイントなどのプレゼン資料を多言語化するシーン。- スクリーンショットをGRTTにアップロードし、自動翻訳。
- プレゼン中は翻訳をオフにしておき、難しい単語が登場したときだけオンにするなど、柔軟に対応。
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- テキストボックスの色や位置を調整して、原文を邪魔しないように配置。
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シナリオ2: UIデザインを海外の開発チームへ引き継ぎ
日本語のショッピングアプリの画面デザインを、英語話者の開発メンバーと共有。
- ステップ1: Figmaからエクスポートした複数画面を一括でGRTTにアップロード。
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- ステップ2: 数字や既に英語になっている箇所を削除したり、重なったテキストボックスの位置を微調整。
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- ステップ3: 翻訳が確定したらJSON形式で出力し、開発中のコードベースに簡単に組み込めます。
- ステップ4: GRTTの作業状態はGRPAK形式でパッケージ化し保存も可能。他の人に作業を引き継ぐのに便利です。
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シナリオ3: ローカライズツールとしての利用
アプリのUIを他言語化するケース。
- 画像をアップロードし、Translation Table機能で翻訳テキストを一括管理。
- 不要な翻訳(企業ロゴの翻訳など)を削除し、ExcelやJSON形式でエクスポートしてチームで共有。
- 従来のスプレッドシート中心のローカライズのワークフローに比べ、大幅な効率アップが期待できます。
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導入効果
- 大幅な時間短縮:従来数時間かかっていた翻訳注釈作業が、数分〜数十分で完了。
- 生産性向上:UIデザインの解説マニュアル作成に割いていたリソースを、別の生産的な作業に振り向けられます。
- チーム連携の強化:国際的なメンバーが同じ画面を共有し、リアルタイムで修正や確認が可能。
- コスト削減:外部の翻訳リソースや長時間の人件費が不要になり、全体予算を圧縮。
- 精度の向上:AIによる文脈理解とカスタマイズ機能を組み合わせることで、誤訳や海外チームとの認識の齟齬を最小化。
お客様のワークフローに合わせたカスタマイズ
GRTTはまだアーリーステージにあるプロダクトですが、今後も改善を積極的に進めていきます。
- 多言語アプリの開発
- グローバルチームの運用効率化
- 国際市場向けのマーケティング資料作成
など、さまざまな用途に柔軟に対応できるようカスタマイズが可能です。 ワークフローを最適化し、言語の壁を乗り越えたいとお考えの方は、ぜひGoldrush Computingまでご連絡ください。一緒に最適な翻訳ソリューションを実現しましょう。
Genre:
AI, OpenAI, コンピュータービジョン
Year:
2024